第4章 再会と離別を同時に
そうだ、アイツ等はこんなところで終わる様な奴らではないんだ。
「ナツ」
『聞こえてんだろ…ナツ!』
<<僕達の声が…!>>
みんなの必死な叫び。
それに微かだが、誰かが答える声が聞こえた。
<<聞…こ、…えて…る…>>
<<ナツ君…!>>
<<六個のラクリマを…同時に…壊、す…>>
<<運が良い奴は、ついでにゼロも殴れる…でしょ…?>>
<<あと18分…急がなきゃ…シャルルとウェンディのギルドを守るんだ…!>>
次々に声を上げていく仲間達。
良かった、まだ誰も諦めてねぇ。
それでこそ、妖精の尻尾の魔導士だよな。
<<も…もうすぐ…念話が切れる…頭の中に…僕が送った地図がある…各、ラクリマに番号を、付けた…全員がバラけるように…決め、…>>
<<…1だ!>>
<<2>>
<<3に行く! ゼロがいませんように>>
<<私は4に行こう ここから一番近いとパルファムが教えている>>
「教えているのは地図だ」
<<そんな…マジにツッコまなくても…>>
ナツが1、グレイが2、ルーシィが3、一夜が4のラクリマに行くことが決まった。
残り二つだ。
「私は5に行く」
<<エルザ!? 元気になったのか…!>>
「あぁ、お陰様でな」
「俺は…、!」
言葉の途中でエルザがジェラールを手で制する。
「お前は6だ」
<<他に誰かいんのか!? 今の誰だ…!?>>
あぁ…ナツはまだジェラールの事情を知らず、敵だと思っているだろうな。
説明するには時間が足りないし…。
『俺だナツ 俺が6に行く』
<<アギト!? 無事だったのか!>>
そこでヒビキの念話がプツリと切れてしまった。
ギリギリ番号は伝わったよな?