第4章 再会と離別を同時に
<<聞くがいい、光の魔導士よ!
俺はこれより、全ての物を破壊する!
手始めに仲間を三人破壊した
滅竜魔導士に氷の造形魔導士、星霊魔導士…それと猫もか!>>
<<ナツくん達が!?>>
「そんなの嘘よ!」
ゼロの言った衝撃的な言葉にみんな目を見開く。
ナツ達が、やられた…。
嘘だとは思いたいが、こんなところでそんな嘘をついても仕方がないよな。
<<てめぇら、ラクリマを同時に破壊するとか言ったなぁ?
俺は今、その六つのラクリマのどれか一つの前にいる!
わはははは! 俺がいる限り同時に壊すことは不可能だ!>>
「!」
そこでゼロとの念話がぶつり、と途切れた。
くそっ、とエルザが拳を打ち付ける。
「…六つのラクリマを同時に破壊するとなれば、我々全員で手分けして六ヵ所に向かうしかない、か…」
「(ゼロに当たる確率は六分の一…しかもエルザとアギト以外は勝負にならんと見た方が良いか…)」
「…ちょっと、待って! 六人もいない!
ラクリマを壊せる魔導士が六人もいないわ!!」
「わ、私…破壊の魔法は使えません…ごめんなさい…」
「そうか…こっちは二人だ! 他に動ける者はいないか!?」
まだ動け、そしてラクリマを壊すことができる魔導士。
今現在ではエルザと俺しかいない。
エルザが念話を通して他の者へと問いかけると、もう一人名乗り上げる者がいた。
<<マイハニー、私がいるではないか>>
『(ゾゾッ)!!』
一夜っ…お前も参加してたのか!?
一刻を争うこんな時だってのに体が震えてしまった。
<<一夜さん! これで三人…っ、マズイ…もう、僕の魔力が…念話が…切れ…>>
「あと三人だ! 誰か返事をしろ!」
「っ…見て、クリスティーナが…!」
ウェンディの指差す方に目を向けると、徐々に高度を下げていくクリスティーナ。
このままで墜落しちまうだろう…。
<<グレイ…立ち上がれ お前は誇り高きウルの弟子だ…こんな奴らに負けるんじゃないっ>>
<<私…ルーシィなんか大っ嫌い…ちょっと可愛いからって調子にノっちゃって…馬鹿でドジで…弱っちいくせに…死んだら…嫌いになれませんわ…!
後味悪いから…返事しなさいよ…>>
「ナツさん…」
「雄猫…」
念話で語られるナツ達への思い。