第4章 再会と離別を同時に
だがジェラールは記憶を失っている為、ウェンディの事がわからず戸惑っていた。
「君は…?」
「(っ、やっぱり私の事…)」
『違うんだウェンディ ジェラールは記憶喪失なんだ』
「え?」
「俺の知り合い…だったのか?」
「(記憶!? そっか…それで…)」
「もしかしてアンタ、ニルヴァーナの止め方まで忘れてんじゃないでしょうね!?」
「…もはや"自律崩壊魔法陣"も効かない」
ジェラールはニルヴァーナを止める方法が無い事を言った。
このままニルヴァーナが進めばウェンディ達のギルド、【化猫の宿】(ケット・シェルター)があり、ブレインは此処が第一の目的地だと言っていたらしい。
突如、ニルヴァーナがゴゴゴと揺れた。
「まさか、ニルヴァーナを撃つのか!?」
「やめてぇーーー!!」
『くそっ…!』
その時、俺の脳内に声が響いた。
その声が語る言葉に始めは唖然としたが、次第に笑みを浮かべてしまった。
…あぁ、やってやろうじゃねぇか!
「アギト!?」
「お前…!」
天体魔法の力で空に向かい、砲先と化猫の宿の間にその体を制止させた。