第4章 再会と離別を同時に
<アギトside>
何だってんだよ一体!
六魔将軍のうち五人が俺の友人で、
行方不明だったジェラールはブレインが身柄を預かっていて、
俺はミッドナイトに連れて来られて、
ついさっきまで眠らされていて、
起きたらニルヴァーナが起動されていて…
『とにかくブレイン一発殴りてぇ』
俺が眠ってる間に好き勝手しやがって。
コブラ達はダメ、代表としてブレイン殴りたい。
そんな事を思いながら森を走っていた。
『…この辺りか』
この近辺に殺気が纏わり付いている気がして立ち止った。
見渡してみるが夕方より夜に近くなった今の景色では森は不気味さを増すばかりだな。
地味に風も吹いていて、ザワザワと葉が鳴るし。
だが奴は此処にいる。
そう確信した俺は"邪竜の剣牙"で魔力の剣を造り、目を瞑り集中した。
辺りに魔導士がいないかを探る為に。
『そこか!』
僅かに魔力を感じた方へ剣を投げた。
剣は少し大きめの岩を貫き砕いた。
その後ろに黒い影が飛び、俺の前に着地した。
「すげー 流石"黒龍騎士のアギト"だな」
金と銀の間の淡い髪色をした男だ。
目は茶色か。
『何者だ』
「俺はヴィアン 久し振りだなぁアギトさんよぉ」
『久…』
え…誰この人?
俺会った事あるっけ?
「その様子だと俺の事は覚えてねぇみてぇだな」
『残念だが全く』
「それもそうだ 俺はアンタと違って魔法を簡単にしか使えねぇただのガキだったからな」
つまりガキの頃に会った事があるのか?
にしても…何処で?
ガキの頃っつったらジェラールかブレイン達かエドジェラールしか心当たりねぇが。
「闇ギルド【悪食の大罪】って聞いた事ねぇか?」
『悪食…』
んー…確かにどっかで聞いた事あるようなー…。
『…あ…あーーーっ! ガキの頃俺が潰した闇ギルド!?』
「その通りさ 今はフリーの魔導士だがな」
『つまり俺に恨みを持ってるって事か』
「あぁ だからブレインに呼ばれて此処に来た
"もしアギトが我々の敵に回るなら、なるべく傷付けぬ様に足止めしてくれ"って言われてな」
ぬうぅ…考えたなブレイン。