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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第4章 再会と離別を同時に


ズッ…ズッ…と魔法陣に吸い込まれる鎖。
勿論エルザとジェラールも引き上げられる。


『くそっ…手を出せ!』


魔法陣を展開してない方の手をエルザに伸ばした。
エルザは手から鎖を離し、アギトの手を掴む。

引き上げられたエルザはアギトと共にジェラールも引き上げる。


「ありがとう、アギト」

『あー…悪ぃけど、今どーゆー状況?』

「それは後だ ジェラール、自分に掛けた"自律崩壊魔法陣"を解け」

「……」


エルザに言われたが、ジェラールは俯いてしまう。


「俺は…ニルヴァーナを止められなかった…」

『お前が解かないなら、』


アギトはジェラールが自ら掛けた魔法陣に手を翳す。


「!? "自律崩壊魔法陣"だと!?」


ジェラールの魔法陣に更に"自律崩壊魔法陣"を組み込んだ。
キキキと音を立てて消滅してしまった。

エルザはブレインが言っていた言葉を思い出した。


(私がうぬに教えたのだ アギトと共にな)


「アギ…」

『待って、何か…気分悪ぃ…』


エルザが何か言おうとしたが、アギトは口元を押さえ、うえっ…と嫌な顔をした。


「アギト!?」

「どうしたのだ!?」


ジェラールとエルザが心配そうに近付いた。


『うえっ…多分ニルヴァーナの影響…気持ち悪ぃ~…』

「ニルヴァーナだと…!」


アギトは邪竜の滅竜魔導士だから属性は闇。
ニルヴァーナは光と闇を反転させる魔法。
魔導士にとって魔力とは、命に等しいもの。
つまりニルヴァーナがアギト自身にも影響してしまっているのだ。


『大丈夫だ 慣れたから』

「早いな」

『順応力あるのが取り柄だからな』


アギトの体調を伺い、大丈夫そうなのを見て安心した。
そこでエルザは疑問に思っていた事を打ち明けた。


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