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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第4章 再会と離別を同時に


「…これは一体何事か?」

「!! お前は…!」


たった今気付いたもう一人の存在にエルザは目を見開く。
そこには六魔将軍のブレインが立っていたからだ。


「"自立崩壊魔法陣"…」

「ジェラールが組み込みやがった!
 マズイぜ…このままじゃ、せっかくのニルヴァーナが消滅しちまう!!」


ニルヴァーナに広がる魔法陣を見上げ、呟きを溢すブレイン。
そんなブレインを見て、コブラは切羽詰まった声で状況を説明する。

しかし、こんな状況だというのにブレインは口角を上げ、面白おかしげに笑う。


「クク…案ずるなコブラよ
 私が何故脳(ブレイン)というコードネームで呼ばれているか知っておろう?」


「…、?」


笑みを浮かべたまま近づいてくるブレインに構えながら、エルザは話に耳を傾ける。


「私はかつて、魔法開発局にいた
 その間に我が知識をもってして作り出した魔法は数百にも昇る」

「……」

「その一つがこれ…"自立崩壊魔法陣"


 私がうぬに教えたのだ アギトと共にな

 忘れたか?…ジェラール」


「!?」


今アギトの名が出た事に驚きに目を見開くエルザ。
やはりアギトと六魔将軍は何か繋がりがあったのか、と。
その傍らに倒れているジェラールも僅かに瞳を開ける。



「解除コードなどなくとも…魔法陣そのものを無効化できるのだよ…私は!」


そう言ってブレインは魔法陣に手を翳し、スッと手を振り上げる。

すると、広がっていた魔法陣がまるで逆再生されるかのように砕け、消えていく。


「そんな…」

「おおっ!!」

「?」


ブレインが再びジェラールを見たとき、ニルヴァーナに仕掛けられたものと同じそれに気が付いた。


「自らの身体にも自立崩壊魔法陣だと?
 解除コード共に死ぬ気だったというのか?」

「エーテルナノの影響で記憶が不安定らしい
 どうやら自分が悪党だったってことも知らねぇみてぇだ」

「何と…滑稽な ふはははっ!!」

「…っ」


"自立崩壊魔法陣"の影響で苦しむジェラールを見下したように笑うブレイン。
エルザがキッと睨み付けるが、ブレインはそれを躱し、魔法陣が組み込まれているニルヴァーナへと近付く。



絶望的な表情をするジェラールをブレインが嘲笑う。


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