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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第3章 折り重なる再開


『……』

ラクサスとマスターの話が終わってからマスターと話すつもりだった俺は扉の横で待っていた。
盗み聞きするつもりではないが耳がいいから聞こえてしまう会話。



マスターが、ラクサスに「破門」と言った。



「…アギト、」

『…終わったのか』

「あぁ…世話になったな」


聞いてたのか?と聞かないのは、聞こえてたとわかっているから。
ラクサスは無言で何処かへ行ってしまった。


『……』


俺も医務室に入った。


「!? ア、アギト…」

『お邪魔だったか?』


予想通り、マスターは泣いていた。
ギルドの為とはいえ実の孫を破門にしたのだから、我慢出来なかったんだろ。
マスターは涙と鼻水を袖で拭いて俺の方に振り向いた。


「ま、全く心配させおって! じゃが、"神鳴殿"を止めてくれてありがとうの」

『はいはい、遅れた事は謝りますよー』

「…で、どうじゃった」


俺は何を聞かれたのかを説明した。

いつジェラールと出会ったのか。
どのくらいの頻度で会ってたのか。
ジェラールが使える魔法。
楽園の塔の事は知ってたのか。
何故ジークがジェラールの思念体だって事を黙ってたのか。
俺がジェラールを匿ってるのではないか。
…等々色々問い詰められた。

その真偽を探る間は評議院で身元を預けられ、退屈していた。
あれはヒマすぎてダルかったなー。

結果は無罪放免。
聖十の証も剥奪される事はなかった。
まぁ永久授与されたらしいし…俺はどっちでも良かったけど。


「それだけじゃったのか」

『罰として闇ギルド殲滅を幾つか任された 評議院にしては緩かったな』

「何にせよ大事にならんで良かったわい」

『あぁ さて、明日はミスコンだろ? 見たかったら早く元気になれよな』

「わかっておるわい!」


自分を追い込まなきゃいいけどな。
でも大丈夫だよ、マスター。


ラクサスは帰って来る。
旅をして、世界を知って、反省したら絶対ぇ帰って来るから。


俺達は…信じて待とう。



ラクサスの…




(帰るべき場所でいような)


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