第3章 折り重なる再開
<アギトside>
『256…257…258…』
<<89…90…91…>>
俺はラクリマにかけられている生体リンク魔法を解除(ディスペル)している数を、念話越しのエルザは剣を造る本数を数えていた。
いくらS級魔導士とはいえ、ラクサスの言う通り命に関わるからな。
<<99…100っ…>>
『エルザもういい、100本の剣を維持しててくれ』
<<しかし…っ…あと200本も…>>
『288…289…290 残りは俺が何とかする…"邪竜の剣牙"!!』
残り時間は1分を切っている。
だが290個の生体リンク魔法を解除したとは思えない程の速さで空に黒い剣が浮かぶ。
我ながら凄いと思う。
<<馬鹿者! 後の10個はっ…解除はどうした!?>>
『剣を造ってからにするさ』
<<しかし…>>
『生体リンクとはいえ攻撃してくる属性は雷だからな
痛いかもしれねぇけど怪我はしねぇから大丈夫だ』
<<ったく、お前はいつも、無茶をする…>>
『無茶して、ナンボのギルドだろ…妖精の尻尾は、』
<<まぁ…仲間の為なら、な>>
『そーそー』
そう話してる間にも黒い剣を200本造り上げた。
『(200本を維持しながらの解除は難しいか…生体リンク魔法…受けて立とうじゃねぇか!)』
ラクサスに罪を背負わせるワケにはいかねぇからな。
『行くぞエルザ!!』
<<あぁ! 舞え、剣達よ!!>>
俺の黒い剣とエルザの銀の剣がラクリマに向かって放たれる。