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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第3章 折り重なる再開


挑発的な笑みを浮かべるラクサスを見て、ミストガンはたくさんの杖を勢いよく地に突き刺す。


「"摩天楼"」

「!?」


ラクサスの足元が…いや、カルディア大聖堂が崩壊し始めた。

「バカな! 教会を…うぉ!?」


ぐんっとラクサスの体が上へ引っ張られる。
あっという間に遠くなるマグノリアの街。

気が付けば、ラクサスは不気味な闇の中に浮かんでいた。

突然ラクサスの目の前の空間が歪み始めた。
そして、その歪んだ空間は大きく裂け、更なる闇と異形の怪物を出現させた。


「!?」


怪物から距離をとろうとするラクサスに、逃がさぬ、と言わんばかりにぐるぐると何かが絡み付く。
ミストガンが肩にかけていたベルトだった。
動きを封じられたラクサスに、裂けた空間から身を乗り出した怪物が腕を伸ばす。


「何だよこの魔法は!?」


恐怖に顔を歪めるラクサスに怪物の腕が触れる。


…と同時に、ラクサスの体から高圧の雷が溢れ出る。


「うおぉああ!」





ラクサスの雷は紙を破るかのように空間を切り裂いた。

ラクサスがニヤリと口角を上げる。

切り裂かれた空間は少しの間空中を漂い、霧散して消えた。

ここはカルディア大聖堂。
どこも崩れていない。

あの闇と怪物は、ミストガンが生み出した幻覚。
幻覚を破られたミストガンは一瞬驚いた。


「ハハハハッ、くだらねぇな!
 こんな幻覚で俺をどうにか出来るとでも思ったか!?」

「…流石だな



 だが気付くのが一瞬遅かった」



「!」


ラクサスの足元、そして真上に五つの魔法陣が展開されていた。


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