第3章 折り重なる再開
「ゔゔ~~! 何か居心地悪ぃなぁ…新しいギルドは~」
「いーから座りなさいって そろそろメインイベントよ」
「?」
いきなり暗くなったぞ。
でも俺邪竜だから暗くても何の演出にもならねぇんだよなぁ…便利なのか不便なのか…。
俺は二階の手すりに座ってステージを見た。
ステージは見えるしギルド内を一望出来て案外特等席かもな。
と思ったらステージからミラが登場した。
歓声が凄まじいなぁおい。
だがミラの歌が始まると静かになった。
ミラは歌うのが上手いからなー。
「いい歌~」
「仕事に出る魔導士への歌よ」
カナがルーシィへ説明した。
作詞作曲もミラなのかな?
凄ぇいい歌だ。
「ミラちゃーん!」
「最高~!」
「いいぞ~!」
「フン」
「痛ぇー!!」
「ギヒ」
…ん?
今ガジルがナツの足踏んだ?
波乱の予感…
「何すんだてめぇ! わざと足踏んだだろぉ!」
「あ?」
「うっせぇ! ミラちゃんの歌の最中だろぉがよ!」
「うご!」
「ギッ!」
誰かがナツとガジルにコップを投げてー、
「物投げたの誰だコラァ!」
「ひいいい!」
ナツが机を投げてー、
「ナツてめぇ! 暴れんじゃねぇ!」
「私の…いきごケーキ…」
グレイが立ち上がってエルザにぶつかってしまいケーキを落としてー、
「てめぇら! 漢なら姉ちゃんの歌聞きやがれっ!」
「やかましいっ!!」
エルフマンがエルザに蹴り飛ばされてーからのー、
「どりゃあ!」
「誰かナツをおさえろぉ!」
ナツが大暴れ。
かーらーのー、
「バラードなんか歌ってる場合じゃないわね
へんしーん! ロックで行くわよぉ!!」
着替えてロックに切り換えたミラ。
ギルドが変わっても、雰囲気は今までのまんまだな。
『だけど…この方が妖精の尻尾らしいぜ』
傍観者の俺からすればみんなの暴れる様子を見るのは楽しい。