第3章 折り重なる再開
<アギトside>
アカネリゾートでの宿泊を終えた俺達はマグノリアへ帰っていた。
怪我は大したことねぇからもう治ったが…うん。
エルザが怖かった。
あんなに怖いって思ったのは初めてだ。
背中に般若が見える勢いだったぞ…。
『はぁー…』
結局、ジェラールを見つけられなかったな…。
ジュビアの水魔法で辺りの海を隅々まで探したつもりだったのに。
『(…でもま、)』
絶対ぇ生きてるよな。
俺がこーして生きてるんだからな。
見つけたら…また会えたら…絶対ぇ守ってやる。
だから無事でいろよな。
「…そういえばアギト…」
『?』
「コレは…本当にいいのか?」
コレと言ってエルザが取り出したのは俺の聖十のバッジだった。
どうやら"邪煉空絶破"でなくした俺のバッジはエルザ達の船に落下したらしい。
だが俺は受け取らず、エルザに託している。
『あぁ お前が持っててくれ』
「しかし…」
『持っても持ってなくても俺が聖十なのは変わらねぇし…今はこっちを持ってたい』
こっちと言って俺が取り出したのも聖十のバッジ。
しかし俺が持ってるのはジェラールの名前が彫刻された方だ。
バッジは飾りみたいなものだし、そこまで重要視されるモンじゃねぇもんな。
「…わかった しっかり預からせてもらう」
『そうしてくれ…ん?』
「どうした?」
『何か…匂いが違う』
「本当だ」
ギルドに向かってるハズなのに、ギルドの匂いが違う?
ナツも気付いたみたいだ。
もしかして…と思った俺達は小走りでギルドに向かった。
「こ…これは…!」
「うわぁ!」
「おおっ!」
「驚いたな…」
「すげー!」
『…わーお』
完成してたんだな。
「新しいギルド!!」
うん、そりゃあ匂いも変わるワケだ。
改装してもデケぇなー。