第3章 折り重なる再開
<side out>
ラクリマ化した楽園の塔、沖。
グレイ達は小舟に乗って脱出していた。
「ナツぅ…早く逃げて…」
「姉さんっ…」
「シモン…」
「アギトまで…大丈夫かよ…」
みんなこの場にいない仲間を心配していた。
「…? 何だアレは、」
こちらに何かが近付いて来た。
見るとそれは水の膜で、中にナツ達がいた。
「はぁ!? ナぶふぁ!?」
「うぉお!?」
「うわっ!?」
「うおっ!?」
水の膜はグレイにぶつかり、その衝撃で弾けて三人が出た。
「ナツー!」
「ハッピー! 無事だったのか!?」
「姉さん!」
「シモンも良かった!」
「ショウ、みんな!」
「脱出してたのか」
「…アギトは? アギトはどうしたの!?」
「「「……」」」
三人は固まってしまった。
エルザ達を気遣って口を開いたのはシモンだった。
「ジェラールを助けるために、まだ塔の中に…」
「何!?」
「そんな…もう時間が…!」
「間に合わなかったら…エーテリオンを止める、と…」
「アギト一人でか!?」