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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第3章 折り重なる再開


「アギト!」

『…先に行け、みんな』

「「「!?」」」


俺の言葉にその場にいたみんなが目を見開く。


「っ、馬鹿者! この塔は長くはもたない…早く脱出するんだ!」


エルザの言葉を無視して、俺は三人に手を向けた。


「「「!?」」」


すると水の膜が三人を覆った。
ジュビアの水魔法、"ウォータードーム"だ。


「どーゆー事だよ!?」

「何をするつもりだ、アギト!」

『ジェラールを助けに行くんだ』


助けるのに理由なんかいらねぇ。
人が人を殺す動機なんて知ったこっちゃないが、
人が人を助けるのに理由なんかいらねぇ。
何かの漫画で聞いたセリフだな。
そうだ、俺が助けたいから助けに行くんだ。


「馬鹿な! 間に合うワケ無いだろ!?」

『俺はジェラールを見捨てる事が出来ねぇ』

「何でジェラールの為にそこまでするんだよ!?」

『ジェラールは…俺の初めての友なんだ』

「「「!?」」」


みんな驚いた表情をさせた。
まぁ確かに驚くよな。
だがんなの関係ねぇ。


『俺の過去を知っても、俺は俺だと言ってくれた…初めての友なんだよ』

「だからって…死ぬ気かよ!?」


ナツが膜を叩きながら叫んだ。


『誰が死ぬって? 俺は"黒龍騎士のアギト"だぜ?
 そう簡単にくたばるワケねぇだろーが
 ジェラールを見つけたら俺も逃げる

 もし間に合わなかったとしても…俺がエーテリオンを止める』


「なっ!?」

『友人が犯した過ちだ 俺が何とかする』

「しかし!」

『時間がない…行け!』


俺は前に出していた手を横に振った。

すると、


「っ、エリュシアン!!」

「「アギトーーー!!」」


叫びながら、三人は外に飛ばされた。
グレイ達と合流出来る様に。
それを見送ると俺はジェラールが落下した穴から飛び降りた。


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