• テキストサイズ

闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第3章 折り重なる再開


「自由の国を創るのだ!
 痛みと恐怖の中でゼレフは俺に囁いた!
 真の自由が欲しいか、と呟いた…!

 そうさ…ゼレフは俺にしか感じることができない!
 俺は選ばれし者だ!!
 俺がゼレフと共に真の自由国家を創るのだ!!」


「それはっ…人の自由を奪ってまで…創るものなのかああっ!?」


「世界を変えようとする意思だけが歴史を動かすことが出来る!
 貴様等には何故それがわからんのだ!!」


ジェラールが上空に魔法陣を描く。
それはとても見覚えのあるもので、出来ればもう見たくなかったものだった。


『"煉獄砕波"!?』

「貴様っ…塔ごと消滅させる気か…!?」

「また八年…いや、今度は五年で完成させてみせる ゼレフ、待っていろ」


魔法陣が光る。
ファントムの時はアギトが吸収してくれたが、彼は今動けない!
どうすればいいのだ…!



だが、



「ぐっ!?」

『!?』


不意にジェラールの顔が痛みに歪んだ。

これは私がジェラールを切り付けた傷が響いたのだと思う。

集中力が切れ、魔法陣が消えてしまった。



その隙にナツがジェラール目掛け、地を蹴った。


「!?」


「お前は自由になんかなれねぇ!
 亡霊に縛られてる奴に、自由なんか…ねぇんだよー!!」


炎がナツを包み込む。

全身に炎を纏ったナツは、まるで火竜そのもの。


「自分を解放しろ! ジェラァァルウウウゥゥゥ!!」


『! ジェラールーー!!』





渾身の力で殴られたジェラールは、塔の床を突き破り、最下層まで落下した。


/ 510ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp