第3章 折り重なる再開
シモンの更に前にまた一人現れた。
しかもジェラールと同じ魔法を放った。
黒い球体同士がぶつかり合い、相殺した。
球体は消えたが爆風が吹き上がる。
爆風が収まり、砂煙が収まった。
見慣れた後ろ姿にナツと私は目を見開いた。
それはジェラールも同じだった。
『間に、合ったな…』
「「アギト!?」」
「アギト・エリュシアン!?」
全く…お前はいつも不意打ちの様にグットタイミングで現れるな。
「何故、お前が…」
ジェラールがこんなにも動揺するのは初めて見た。
お前にとっても、アギトは大切な存在だったのだな。
『信じたくなかったが、本当だったのか…ジェラール…』
「お前だけは巻き込みたくなかったのに…何故…」
『お前を止めたかったからだ』
アギトは手に魔力を込めた。
ジェラールも魔力を高めている。
まさか…