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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第3章 折り重なる再開


『ぐっ…何、だ…コレっ…』


アギトの足元に黒い魔法陣が展開されていた。
そこから放たれた幾重もの黒い鎖がアギトの動きを封じていた。
断ち切ろうにも断ち切れない。
黒い鎖がアギトの体力と魔力を消耗させていくからだ。
耐え切れなくなったアギトは遂に膝を付いた。


「アカネリゾートん時の鎖の様にはいかんよ、その鎖だけはどうにもならへん
 例え聖十大魔導士のアギトはんでもな
 その鎖は相手に魔法を使わせん能力もあるからな」

『くそっ…"も"、だと…?…"枯渇"…か…』


"枯渇"(ドレイン)とはエレメント4のアリアが使っていた魔法。
対象者の魔力を流出させ、流出した魔力は空中を漂ってやがて消えてしまう。
ファントムのギルドに殴り込みに行った時、マカロフが受けた魔法だ。


「正解、これは"枯渇"を応用したもんや
 せやけどこれは魔力だけやなく、体力も奪うもんなんや」


膝を付いているのでやっとなアギトはデュークの説明を聞くだけしか出来なかった。
それ以外は…悔しさに頭を支配されていた。



このまま…終わるのか…


エルザを…ハッピーを助けられないのか…


ジェラールを…止められないのか…


ちくしょう…っ…










「しっかしわからへんわー」

『はぁ…はぁ…?』


うーん、と首を傾げるデューク。
意識が朦朧とする中、アギトはデュークの言葉を待った。


「何でジェラールはんはエルザはんを生贄にする言うたんやろ?
 聖十大魔導士に"匹敵"するんやのーて、此処に聖十大魔導士そのものがおるやんけ
 エルザはんよりもアギトはんの方が生贄に最適やと思うんやけどなー?」

『……』


そういえば…何でだ…?


「それにナツはん達には何も言わんかったのに、何でアギトはんは特別なんやろ?」

『…?』



(デューク、お前はアギトの相手をしてくれ)


(えー? 何でわいなん? 戦いやったら斑鳩はんの方が…)


(倒すのではない 足止め、又は追放だ)


(?)


(アギトは…アギトだけは巻き込みたくなかった…なるべく傷付けないでくれ)



『!?』


デュークが言ったジェラールとの会話を聞いて、朦朧としていた意識が覚醒した。

そして、口角を上げた。


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