第1章 幼少期と日常
「しかし、私も驚きました まさか女の方が受注されたなんて」
『……』
またか、と思ったアギト。
『そうですよね 危険な討伐依頼を女一人でなんて』
「相当な手練ですか?」
『まさかぁ…一ついいですか?』
「はい」
『俺の名前はアギト・エリュシアン…男です』
「「え!?」」
今まで黙って村長の後ろに立っていたユウカも声を上げて驚いた。
俺は顔には出さないが、心の中で自己嫌悪していた。
何だ…俺の何がいけないんだ…どうしたら見間違えられることがなくなるんだ…?
「そ、それは大変失礼しました! いやぁ余りにも美しい方なので女性なのかと…」
『気にしないでください いつもの事ですから…俺は早速山を見てきますんで』
俺は部屋を後にした。
ユウカの顔が赤くなっていたのは気のせいだろうかと思って、気にしないことにした。
「聞いたか?」
「あぁ やっぱり女に間違えられたな」
「本当にいつもの事なんだな…」
隣の部屋で壁に耳を当てて聞いていた三人。
何故三人も村に入れたのかというと、ギルドマークを見せて訳を話したら納得してくれたからだ。