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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第3章 折り重なる再開


チェスボードの前に立っている一人の男。
フードを被った男は鎧のコマで着物のコマを倒した。
着物のコマが倒れたカコーンッって音が虚しく響いた。


「アギトはデュークと戦闘中…やれやれ、ゲームはもう終わりか」


男はつまらなさそうに呟いた。



「人の命で遊ぶのがそんなに楽しいか?」


突如、女の声と足音がした。

サラシに袴のエルザだ。

しかし男は来るのがわかっていたと言う様に普通に応えた。


「楽しいねぇ 生と死こそが全ての感情が集約される万物の根源
 逆に言えば命ほどつまらなく虚しいものもない



 久し振りだな、エルザ」



「ジェラール」



そう、この男こそがジェラールだ。


「その気になればいつでも逃げ出せたハズだが?」

「私はかつての仲間を解放する」

「構わんよ、もう必要ない 楽園の塔は完成した」

「あと10分足らずで破壊されるとしてもか?」

「エーテリオンの事か? クク…」


八年もかかって作り上げた塔があと10分程で破壊される。
それだというのにジェラールは余裕をかましていた。


「その余裕…やはりハッタリだったか」

「いや…エーテリオンは落ちるよ」


そう言いながらジェラールは被っていたフードを脱ぐ。
エルザは握っていた刀を構えた。


「それを聞いて安心した!
 10分、貴様を此処に足止めしておけば全ての決着がつく!!」

「いや、お前はゼレフの生贄として死んでいく
 もう決まっている…それが運命(デスティニー)だ」


エルザとジェラールは目を合わせたまま動かなかった。


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