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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第3章 折り重なる再開


この塔の名は"楽園の塔"。
別名"Rシステム"、"リバイブシステム"の略。

10年以上前、黒魔術を信仰する魔法教団が"死者を蘇らす魔法"の塔を建設しようとしていた。
しかし政府も魔法評議会も非公認の建設だった。
その為、各地から攫ってきた人々を奴隷としてこの塔の建設にあたらせたのだ。

幼かったエルザも此処で奴隷として働かされていた。

ジェラールとはその時に知り合った。

ジェラールはみんなのリーダーで正義感が強かった。
エルザもそんなジェラールに憧れていた。

だがジェラールは、ある時を境に…別人の様に変わってしまった。
豹変してしまったジェラールは島を出ようと言ったエルザを裏切り者とした。

仮初の自由を堪能しろと言った。

この塔の事を言ってはいけない。
塔に近付いてはいけない。
でなければ仲間を次々と殺していく…と。





「私は…ジェラールと戦うんだ…」


エルザはまた震えていた。
本当は、ジェラールとは戦いたくないからだろう。



しかし、震えていたのはエルザだけではなかった。



『…嘘、だ…』



「、アギト…?」


絞り出す様にか細い声で、俺は言った。


『ジェラールが、そんな事言うワケねぇ…ジェラールはそんな奴じゃねぇ…』

「な、何を言ってるの?」

『絶対何かの間違いだ! 俺はジェラールを止める!!』

「「アギト!?」」


俺は食堂を出てた。
エルザがウソを吐いてるとは思えねぇ。
だけど…信じたくなかった。

だって…



(ジェラールは俺の…)


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