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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第3章 折り重なる再開


暫く俺はエルザ達と反対側のところに角材を運び続けていた。
そこに運ぶのが終わりナツ達のところに戻ろうとした時、誰かが先にナツ達の元に来た。


「これ…ルーシィに渡しといてくれないか?」


ルーシィの星霊の鍵を探してくれたロキだった。


「お前!? しばらく見ねぇと思ったら!?」

「ずっとこれ探してたのか!?」


よく見るとロキの顔はものすごくやつれている。
一週間水しか飲んでいませんと言われたら信じちまいそうだ。


でもそれは、ロキの事情を知らない人が見たらの印象。


『よう、こっちは終わったぜ』

「おーアギト! 早ぇなー」

「アギトも来るか? ルーシィん家」

『鍵を届けにか?』

「おう!」

『んー、まぁいいや 休憩してぇし』

「そっか じゃあまた後でなー!」

『おー』

「貴様等! 何処に行くつもりだ!」

「ヤベッ」

「逃げろー!」

「あいさー!」


エルザがナツ達を追い掛けて行ってしまった。
全く、昔から変わらないなーアイツ等は。
だけどそれがアイツ等らしくて安心している自分がいたりしてな。

だが俺はロキのところへ向かった。


『ロキ…』

「やぁ、アギト」


やつれながらも笑いかけるロキ。


『…そろそろ限界なのか?』

「…そうだね」

『ルーシィに頼めば…』

「ダメだ」


それだけははっきり言った。


「ルーシィを巻き込んではいけない」

『だけど…』

「いいんだ 君に相談出来ただけでもラクになれた…ありがとう」


そう言って、何処かへ行ってしまった。


『…何が"ラクになれた"だよ…バカ』


誰にも聞こえなかっただあろう俺の呟きは虚しく消えた。


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