第3章 折り重なる再開
<エルザside>
評議院、待合室。
アギトは評議院で一週間取り調べを受けている。
全く、アギトが異世界へ送られたと聞いた時は耳を疑ったぞ。
その証拠としてジョゼと戦った時に見せたあの換装みたいな魔法を披露してくれた。
どれもアギトの好きな色ばかりで、アギトらしいと思った。
中でも私はガイアと仲良くなれたし、ナツもイフリートと意気投合していた。
カオスは基本アギトにべったりだったな。
宴会を開いたあの日の翌日、アギトは取り調べの為にこうして評議院に呼び出しされている。
しかし予定では今日で終わりのハズだ。
後からナツ達も来るが、私は一足先にこの待合室で待っていた。
異世界で他にもどんな事をしたのか。
どんな魔法があったのか。
聞きたい事は沢山ありすぎて困るな。
その時、ドアをノックされる音がした。
「入るぞ」
「!? 貴様っ…」
入って来たのは評議院の一人、ジークレインだった。
詳しくは言えないが、私と彼には因縁の様なものがある。
「ふっ、そう身構えるな 俺はアギトに用があるんだよ」
「貴様が馴れ馴れしくアギトを呼ぶな!」
「馴れ馴れしい? 俺はアギトと幼馴染みみたいなもんだ
親しくて何が悪い?」
「なっ!?」
「少なくとも、お前らよりはアギトの事を理解しているつもりだ」
私はジークレインを睨んだ。
二人の間にどんな関係があるのかは知らないが、私はジークレインとアギトが親しい事に驚きを隠せなかった。
「幼馴、染みとは…どういう事だ…」
「ほう、お前が俺に質問するとは珍しいな
そんなに俺とアギトの関係が気になるのか?」
「っ……」
「いや、アギトの事だから気になるのか」
「質問に答えろ!」
「おー怖ぇ怖ぇ、俺はアギトがギルドに入る前からの友人だ」
「友人、だと…!」
アギトから前に『評議院にも友人がいる』と聞いた事があったのを思い出した。