第3章 折り重なる再開
「さて、楽しませてお礼をしませんとなぁ
…たっぷりとねぇ」
ミラを守ろうと前へ出た二人にゆっくりと手を翳すジョゼ。
「避けろぉ!!」
ジョゼの魔力に嫌な予感がした私はみんなに叫んだ。
しかし私の叫びも空しく、ジョゼの攻撃がグレイをエルフマンに襲い掛かった。
立ち上がろうとしたが、もう私は満足に動く事が出来なかった。
私はもう…仲間を救う事が出来ない…。
助けてくれ…アギトっ…!
『"波動"!』
「「「!?」」」
二人を襲った魔法は誰かが掻き消した。
いや、私はこの後ろ姿を知っている…。
まさか…本当に…
「アギト…なのか…?」
髪も身長も伸びて、でも全く変わらない雰囲気を纏っていた。
こちらに振り向いたアギトは安心させる様に、しかし申し訳さなさそうに微笑んだ。
『ただいま 遅くなってごめん』
あぁ…私は待っていたのだ。
彼のこの笑みを。
彼のこの声を…。
(私だけでなく、ギルドのみんなが…)