第1章 幼少期と日常
ナツ、グレイ、エルザ、ミラに勝った次の日。
アギトはギルドを出て草原を歩いていた。
理由は簡単。
「よう、アギト」
『約束通り来たぜ、ラクサス』
<ラクサスVSアギト>の戦いの為だ。
何故ラクサスとアギトが仲良さそうなのか。
それを説明するには昨日の宴会中に遡る事になる。
*
昨日、宴会中。
アギトはナツ達と戯れていたが、話の途中でナツがグレイと喧嘩を始めたのが切っ掛けだった。
勿論エルザとミラも喧嘩を始めてしまい、いつものことなら放っとこうと思って大人達の所へ向かった。
でも大人も相当酔っていた。
今まで何人くらい女に間違えられたかとか、女装したら本当に女に見えるんじゃないかとか冗談に聞こえない事を話していた。
呆れたアギトは喉が渇いたので飲み物を探していた時だった。
「よう新人 ナツならともかく、エルザとミラに圧勝とは中々だな」
『?』
声がした方を振り向くと、金髪で耳にヘッドホンをしている男だった。
年はアギトより少し大きいくらいかと思う。
「俺はラクサス、妖精の尻尾の最強候補の一人だ」
『俺はアギト、よろしくなラクサス』
「おう、アギトな、お前も飲むか?」
そう言って差し出されたのは酒だった。
『ラクサスって未成年なんじゃないのか?』
「良いんだよ お前の歓迎会でどの道出るんだ
それにここは問題だらけの妖精の尻尾だ、子供が酒飲んでも怒られないさ」
『そうなのか?』
「そうなんだよ ほら飲め、それとも飲めないのか?」
『飲めるっつーの』
アギトはその後、ラクサスと冗談を言いながら盛大に飲んだ。