第1章 ミセバヤ
後日談
「やっと付き合ったのかよい」
「おん。ブンちゃんにはいろいろ迷惑かけたの」
「俺には何かないのか?」
「幸村は、あいつに関しては敵じゃ」
「「なんで?」」
部室で夏帆と付き合えたことを報告した。部活仲間はそれぞれ祝福してくれる。しかしだ。幸村は安心できん。夏帆が異常に幸村に心を許しとるんも事実なんじゃ。
「仕方ないだろ?夏帆と俺は3年間同じクラスなんだし。」
「心読むんじゃなか。それに抱きしめとったじゃろ」
「マジっすか。部長、鷹鴇先輩のこと抱きしめたって」
「まぁね。まだ、根に持ってるのか?」
「仁王って意外と嫉妬深いんだな」
「ジャッカル君。仁王君は意外ではないですよ。鷹鴇さんに関してはずっと言ってますからね。」
「そうだったのか。知らなかったぜ。」
口々に好き勝手言っている仲間たち。
「それで?鷹鴇と付き合ってなにか変ったのか?」
「参謀までもか。別になんもかわっとらんよ」
「ほう。周りに牽制もかけないのか?」
「必要ないじゃろ。夏帆は鈍感じゃから気づかんじゃろうし。言い寄る男は俺が追い払っとるんじゃからの」
「仁王先輩そんなことまでしてるんっすか?」
「それも入学してからずっとだぜい。」
「じゃぁ、鷹鴇先輩の初彼が仁王先輩っすね」
そういった、赤也が可愛く見えた。しかし、その会話を聞いていた幸村が呟いた。
「ねぇ、仁王ってもしかして知らないの?」
「この様子だと知らない可能性87%だな」
参謀と幸村が顔を見合わせた。