第1章 ミセバヤ
「それが本心?」
「そうじゃ。やから、幸村には夏帆はわたさん。絶対にじゃ!!」
そういった時の目は、試合で見たテニスをしているときの真剣な目つきだった。
「ほら、夏帆も何かいったら?本当に素直になりなよ」
「・・・。私は、デブで愚図で、なにも突出してできることなんかなんもない。」
「そんなこと!!」
「ある!!やから、いつまで、はる君の傍におれるんやろうてずっと思ってた。一緒におるには幼馴染が一番いいて思てた。はる君の横に綺麗な子がおるたびに遠くなってく気がしたんよ。でも、ほんまは・・・」
その先をいうのは怖い。今までずっと心の奥底に秘めていた想いだから。きっとこのことを伝える日は来ないと思っていたのに。
静かに聞いてくれるはる君。背中を押してくれる幸村君。