第1章 これでいい*橘真琴
でもまさかそれにするとは思ってなかった。
俺の選んだ水着を選んでくれたなんて。
「わあ…!真琴!夕日!きれー……」
「そうだね……。合宿まで後少しか……」
「……海、大丈夫?」
「大丈夫だよ。皆と一緒だから」
「そっか。ならもう聞かない」
「折角だからちょっとこのまま夕日見てから帰ろうか」
「そうだね!じゃああそこ座ろう!」
帰り道。
引き止めたのは俺がまだ一緒に居たかったから。
家近いんだからいつでも会いに行けるけど……
なんか寂しかった。このままバイバイしちゃうのは。
だから夕日を使って……オレはとの時間を延ばした。