第1章 これでいい*橘真琴
確かに可愛い水着だから俺はそう答えてたけど、全部ハルの為に選んでるんだよなって思うと……どうも普通ではいられなくなる。
「ごめん。そう怒るなよ」
「むぅ」
「俺はこの水着がいいと思うよ。絶対に似合う」
「私じゃなくてハルだってば!」
「まあそう言わないで。ちょっと着てみなよ」
「んー……じゃあ着てくる」
「うん。俺外で待ってるから」
「当たり前でしょ!」
今のは完全に俺好み。ならどんなやつでも似合うと思うし。
ちょっとだけ……ハルに対抗。
「着れた?」
「うん!……ジャーン!どう?」
「っ……うん、やっぱり似合うよ」
「でもハル……これ見てドキッとしてくれるかな」
「きっと大丈夫だよ。ハルだって男なんだしさ」
「じゃあ真琴は?」
「え、俺?!」
「うん。ドキッとした…?」
「い、言わせるなよな…!!」
「んじゃこれにしよっかな!真琴お墨付きっ!」