第2章 これでいい*七瀬遥
「じゃ、じゃあ僕達はちょっとトイレに行って来ます!!」
「もう怜ちゃんワザとらしいよー!」
「ちゃんと伝えてあげなよ、ハル」
一通り泳いで今日は終わり。
本当にワザとらしく真琴達が居なくなって俺はと2人きり。先生達も居ない。
「えっと……お、お疲れ様!」
「……ああ」
「やっぱりハルの泳ぎ好きだなー」
「……あいつは?」
「へ?誰?」
「真琴」
「真琴?勿論好きだよ?」
俺は泳ぎについて聞いたんじゃない。
真琴を好きかって聞いた。
まあ話の流れからして泳ぎの事になってしまうのは仕方がない。
というかワザとこのタイミングで聞いたのかもしれない。
真琴の事が好きなんじゃないのか?
って聞いて……本当の気持ちに気付かれるのが怖くて。