第2章 これでいい*七瀬遥
渚も怜も、が俺を好きだってのは知ってる。グイグイ来るから。
だから怜に押されて渚に照れるなだの言われ、おまけに真琴に感想を急かされる。
……そんなの可愛い決まってる。
けど俺は言わない。
「ハァ……やっぱダメ…?」
「可愛いよって一言言ってあげなよ、ハル」
「……お前が言った方がいいだろ」
「え…?」
何故こうも俺はに冷たいか……。
それは俺じゃなくて真琴と居る時の方がらしいと思うから。
別に嫌いじゃない。
というか……もう結構前からのアプローチに折れてる。
「うわーん!真琴の嘘つき!!全然ダメじゃん!」
「言わないだけだよ」
「言ってくれなきゃ意味ないもん!」
にとって本当に好きな奴はいつの間にか変わってしまったんだ。
きっと気付いてないだけ……。