第2章 これでいい*七瀬遥
なら首を縦に振って付き合えばいいと思うだろう。
それが出来たら苦労はない。
俺は真琴の気持ちも知っている。
あいつも……ずっと前からが好きだ。
真琴を押し退けてまで付き合えない。
まあが真琴を好きなんていうのは俺の勝手な推測でしかないけど、もし本当だったとしたら……
付き合って苦しむのはだ。
「……」
「ん?」
「……いや、何でもない」
期待させてはいけない。
可愛いって言ってあげようかと思ったけどやめた。
には悪いけど……これからも俺達はこのままでいる方がいい。
俺とと真琴……。
それに渚に怜。そしていつか凛も……。
「何それー」
「冷えてくる。着替えた方がいい」
「結局言ってくれないし……」泣
「……」
言ってる。心ではちゃんと言えてるんだ、可愛いって。
言葉にしてやれなくて悪い。
けどこれでいいんだ。
お前達との仲を壊したくないし壊させたくない。
でもせめて……心では伝えさせてほしい。
は可愛い。
ずっと……ずっと好きだった、と……。
*次へ続く*