第1章 縁も所縁もありませんけど。てかなにそれ美味しいの。
「けぇったぞー。
て、なんでヅラがいんだよ。」
「李鶴那!ただいまアル!
ておいヅラァなに勝手にあがりこんでるアルカ!」
私はまだおかえり、もちろんただいまも言えていない。
その言葉たちを言うには、
まだなにか壁のようなものを感じる。
「ヅラじゃない桂だ!
銀時、待っておったぞ。」
「なにしに来たんだ。」
ドカッと長椅子に座り足を組む。
「ちょっと銀さん、行儀悪いですよ。
どうぞ桂さん、お茶です。」
「お、すまぬな。」
ズズ…とお茶をすすって切り替える。
「高杉から文が届いた。」
「高杉から…やっぱな。
俺にも来てたんだよ。」
高杉…。
確か銀時の戦友だったというやつだろう。
「そうか。ならば話が早い。
久しぶりに飲もうとのことだった。
同窓会、と言ったところだな。
銀時も行くであろう?」
仲悪いんではなかったのか?
「同窓会だぁ?俺ぁ行かねーぞ。
いいことねぇだろうが。」
「やはりそう言うと思っておったぞ。」