第6章 愛よ、力の元となれ。
「とりあえず、帰してほしい。」
「やだ。」
このやり取りがつづいて何分?
いや何時間たった?
「なんでそんなにお侍さんところに帰りたいんだよ」
「なんでって、そりゃあ家族だから。
大切な人達のところへ帰りたいの。」
私の言葉に神威は目を見開いた。
その目は瞳孔が開き、殺気を感じた。
「馬鹿だネ。そんなもの、必要ないじゃないか。」
「あなたにだって、家族がいるでしょう?」
あなたは家族と言われて何を思い描く?
誰を脳裏に浮かべる?
見えきったことを聞かれるのはどんな気持ち?