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緋ノ鬼

第5章 愛はまれに狂気となる。




「昔、この子に会えて、殺りあえたらいい、
ただそう思ってたけど…
今はなんだろ…殺すのは無理に思うんだ。」


変かな。

強ければ殺す。

殺して僕が上になる。


それだけだった。


「ふーん。この子を、そんなふうに、ねぇ?」


阿伏兎は眠っている例の子のベッドに

近づき、座った。


「柔らか。もろそうだな」


阿伏兎が触れた。

髪、腕、頬。

その瞬間だった。

僕の中で何かの感情が動いたんだ。



「触らないでくれる?
僕のだヨ。」



「っ!いてててて!
タンマタンマ!」


ほんと、びっくりだ。

僕がこんなことをしてるなんて。






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