第16章 烏養監督、おかえりなさい!
監督の紹介が終わってすぐに練習が始まった。
まず最初のメニューはランニング校外を10周。
これは辛そうだと思った。それはみんな走ると言っても校内を5周ほど走る程度。
マネージャーの私たちはドリンクの用意が出来次第校門に立って回周を数えるように言われたので、2人でバタバタとドリンクを用意して校門へと向かった。
校門に立って数分後には1周目を走り終えるであろう先頭の人が見えてきた。
走ってきたのは部長、副部長、大地くんに孝支くん、旭くんだ。
1周目をカウントすると同時に私は「頑張れ」と声をかけた。
するとひらひら手を振る孝支くんと大地くん。
ちゃんと集中して走ろうね。
そのあとすぐに走ってきたのはさっきのメンバーにいなかった人たち。
中でも田中くんと西谷くんは潔子を見るなりイキイキとした表情でスピードをあげて走り去っていった。
夏妃「ペースを一定にしないとバテちゃうのにね」
清水「そうね」
普通、周回を重ねる毎にペースの落ちてくる人がほとんどであるのだが、やはり田中くんと西谷くんだけは潔子パワーなのだろうか、いつも校門の前を通過する時だけはすごく元気。