ただただ幸せになって欲しいと、心から願いました。

原作の天真爛漫な菊丸くんとは違う、深い闇を抱えた少年。それは確かに菊丸英二でありながら、原作には無いダークな色気を孕んでいます。

彼らは確かに愛を抱えているはずなのに、複雑に絡み合う運命の試練や過去が何度も菊丸くんとヒロインの未来を阻みます。切れそうな繋がりの糸を手繰り寄せ、心の距離は近づいたり離れたり。ひとつ結び目が解けたと安堵した矢先にまた次の運命の糸の絡まりに私たち読者は息を飲み、それぞれ登場人物の抱えた強い意思に心を揺さぶられることでしょう。

テニスの王子様が大好きな方にぜひとも読んで頂きたい作品です。自信を持って推薦致します。