周りはチラホラ、春が来たヤツが増えてきた。
女子のように、相手のことを口にしてはハタメイているヤツ多数。
そんな風紀に馴染めず、恋なんて……そう思っていたのに、射抜かれてしまったんだ。
『難しく考えなくていいんじゃない?恋なんて、したくてするものじゃないと思う。いつの間にか、落ちていたりするものなんだよ。私が、君にそうであったようにね。』
突然さらけ出した心。
恥ずかしそうで、でも、どことなくサッパリとしていて……。
頬を赤く染めた君につられるように……俺の顔も赤くなっているだろう。
恋なんて……そう思っていたのに。
『こんな簡単に、落ちるものだって知らなかったよ。君に責任をとってもらわなくてはね。』
『不二くんなら喜んで。』
あんまりにも可愛らしく、そして……悪戯っぽく笑う君に恋が更に加速していく。
命身近し恋せよ……乙女じゃないけど。
恋…………良いものかもしれない。