第20章 料理壊滅系女子:桜井
「良君、お料理を教えてください ! ! 」
「えぇ ! ? ボクなんかにそんな……」
そんな恐れ多いこと出来ない……。
けれど、大好きな彼女に頼まれてしまっては断れない。
……一緒にいられる時間が増えるし、いいかな。
それで、ご家族の方がいないという今日、彼女の家で一緒に料理することにした……んですが。
「ら、ん切り……乱切り」
「お、落ち着いてください」
「ええっと……こ、う? あ、小さくなっちゃった。もう助けて……」
驚いた……。
さん器用だから何でも出来るんだと思ってた。
料理、壊滅的なんだ……。
でも桃井さんよりはマシ……あぁスイマセン桃井さんスイマセン!
それにしても、エプロン姿のさん、可愛いなぁ……。
はっ! それにしてもじゃないですよ ! !
料理に集中しないと!
「フライ返しで……あぁべちゃってなった。もう助けて……」
なんだろう……この不思議な気持ち。
悲しいような、困ったような、複雑な……。
卵割るのだけは凄く上手いけど……。