第18章 作詞系女子:笠松
「あの……そんなに真剣に詞見られるのは……凄く恥ずかしい、です……」
「……」
自分でも驚くほどの熱っぽい声を出しながら、を抱き締める。
戸惑っているのか、は抱き締められたまんまだ。
「腕、回せ」
「……うん」
緊張しきった、うわずった声。
ドクドク聞こえる心臓の音はどっちのもんだ……?
「あの曲、お前のこと考えながら作ったんだ」
「そうなの……?」
「一緒にいれば緊張するけど安心もする、離れれば会いたくなる、お前のことばかり考えちまう。って気持ちを込めた」
「……じゃあお互いでお互いのこと考えながら作ってたんだね」
「だな」
体を少し離して見つめ合う。
頬に手を触れると、嬉しそうな顔をするのが……なんて言ったらいいかわかんねぇけど、嬉しいし……あの……うまく言えねぇわかんねぇ。
だからキスをした。
角度を変えて、何度も何度も。
もそういう気分になってくれたみたいだ。
次は深いキス。
普段は恥ずくてあんましねーけど……。
今日は……心も体も熱い。