第17章 猫被り疑惑系女子:桜井
「ほれもうやめにしぃ。青峰、はよ来い。、調子悪いんやったら無理せんで、もう帰ってええで?」
あ……さん、顔が真っ青だ。
この状況に、自分でも驚いちゃったのかな……。
それとも、体調が悪かった……?
だとしたらボク……好きなのに気付かなかった。
小さく返事をして、さんは帰った。
その一時間後、久し振りに部活が早く終わった。
なんだか別の道を通りたくて、普段通らない、公園のある道を行くことにした。
ふと、公園のベンチにさんが座っているのが見えた。
気付いた時には声をかけていた。
「さん!」
「あ……桜井君」
声をかけたものの、なんと言っていいかわからなかった。
とりあえず無難な言葉をかけた。
「あの……体調、大丈夫なんですか? 顔色が悪かったから……」
どこか気まずそうに視線を逸らし、眉を寄せたその顔はまだ青白かった。
「……はい。ご迷惑をおかけして……すみません」
「違います! さんのせいじゃありません!」
目を丸くして驚いてる……さんは何も悪くないのに。
隣に座らせてもらって、二人で話をした。