第16章 カタコト系女子:氷室
疲れてしまったようなので、休憩にした。
ちょうど敦から貰ったお菓子があったんだ、一緒に食べようかな。
「いいんですか? いただきます!」
「クスッ、どうぞ」
このお菓子好きなのか……それともただお菓子食べたかっただけなのか……。
どちらにしてもさんらしいな。
「先輩はアメリカ歴長いのに、いくら母国語とは言え日本語もちゃんと出来て凄いですよね!」
「まぁ話し言葉は大丈夫だけど、漢字はかなり努力したよ」
「はぁー……凄い」
「だから、さんも頑張ろうな」
「うっ……はい」
本当に素直な子だな。
そこが良いところの一つで、オレが一番惹かれているところ。
……まぁ、さんはオレのことはそんな風に見てないみたいだけど。
言ったら、どうなるかな……。
「先輩、大丈夫ですか? 浮かない顔してますね」
「ん、そうかな? 大丈夫だよ」
本当は大丈夫な自信、あんまりないんだけどね。