第16章 カタコト系女子:氷室
「は、Howアーゆー?」
「……カタコトだね」
英会話を上達させるにはどうしたらいいか、とさんの相談を受けた。
放課後、早く部活が終わったから、普段人が来ない教室で向き合って座って今に至るわけだけど……。
「いつもはうまく喋れてるじゃないか。普段通りでいいんだよ?」
「はい……でも先輩の英語が本場すぎて緊張する……」
「ふっ、リラックスして……」
英会話するだけなのに深呼吸して……。
一生懸命で可愛いな。
オレの方がカタコトになりそうだよ。
「How are you?」
「I'm fine,thank you」
「What did you do yesterday?」
「I went shopping with Atushi」
うん、少しずつだけどほぐれてきたね。
何も難しい会話から始めなくていい。
自分がわかるものからどんどん会話に繋げていけばいいんだ。
暫くして、今度はオレから質問することにした。
「You like basketball,don't you?」
「Yes,of corse!」
「ふふっ! Me too!」