第15章 舞台系女子:森山
オレにもとうとう……春が来た!
「ちゃん……君はいつもオレの心を熱くさせる!」
「由孝さん、あなたの甘いその吐息が私を狂わせるの!」
いつものオレ達の、愛の確認法。
今日も可愛いなぁ……。
「うわー……毎日毎日懲りないっスねぇ」
「ほっとけ」
「似た者同士もいるものなんだな……」
「(ラ)ブ(ラ)ブでう(ら)やましい!」
「? 早川センパイ、アブアブでうあやましい、ってなんスか?」
何だか後ろで騒がしい気もするが……今のオレにはちゃんの声しか聞こえないしちゃんしか見えない!
「それ病気っスよ」
「"恋の"、な」
「やめろ黄瀬、うつるぞ」
ふむ……心で思っていたことをつい口に出してしまっていたようだ。
黄瀬につっこまれてしまったが、この恋の病……。
「治りそうにない……!」
「もう!それは言わない約束でしょう!」
「どんな約束なんだ……」
「うぉぉぉぉ! (ラ)ブ(ラ)ブですね!」
「だから、アブアブってなんスか?」