第11章 手品系女子:高尾
そっこーで戻って、二人で歩いて帰った。
「プレゼント買えたし、色んなお店回ったし、楽しかったぁ~」
「オレも! 宮地サン喜ぶかなー」
紫がかった空……と離れる時間がはっきり示されてるみたいで、なんか寂しく感じた。
このままどっかで一泊……なんてな。
「ここでいいよ。いつも送ってくれてありがとう」
「いんだって、オレがやりたいんだからさ! あ、はいこれ、プレゼント」
「え? ありがとう!」
オレに開けるよう促されたが、袋を開けて中を見た時の顔は驚きと喜びに満ちていた。
トイレ行くふりしてあの店行って買ってきたんだよね~。
「それ、欲しかったんだろ?」
「なんでわかったの ! ? 」
「オレの手品♪ タネも仕掛けもないぜ? なかなかのもんだろ?」
下心はあるけど。
が「ありがとう」ってギュッと抱きついてきた。
オレもギュッと抱きしめて、おでこに軽くキスをした。
もちろん、お前を好きな気持ちにだって、タネも仕掛けもないからな?
~End~