第7章 湯豆腐系女子:赤司
「征十郎、お誕生日おめでとう!」
「ありがとう。部屋に通すよ、あがってくれ」
「お邪魔します」
今日12月20日は僕の誕生日。
の案で、2人きりでの誕生会を行うことにした。
は僕の1歳年下の許嫁。
しかし僕たちは、ただ許嫁だから一緒にいる訳じゃなく、心から愛し合っている。
「あのね、これ……作ってきたの」
部屋に着いて座ると、少し大きさのある袋を差し出してきたので、中を見た。
鮮やかな真四角の箱……誕生日ケーキだとすぐに分かった。
「私が用意する!」と意気込んでいたのは、手作りするからだったのか。
「ありがとう。のことだから、手を込んでくれたんだろうね」
のはにかんだ表情は幼くもあり、どこか大人びている、魅力的なものだった。
「出させてもらうよ」
「う、うん」
箱から出されたショートケーキには、やはり手が込んであるデコレーション。
程良い手作り感がなお良い。
器用な子だ。
「良くできているね」
「良かった! じゃあ、カットするね」