第35章 奉仕系女子:木吉〈続・花札系女子〉
「……重くない?」
「重いもんか……可愛くてどうしようもないよ」
「ふふっ、ちょっと噛み合ってないけどありがとう」
暗い寝室の布団の中、ぎゅっと抱きしめた。
柔らかい、温かい、安心する。
抱きしめる度にいつも思うことを、今は何倍も強く感じる。
も抱きしめてくれた。
もう疲れが飛んだ、癒された。
凄いな、は。
お前が傍にいてくれれば、何も怖いものがないんだ。
それくらい、オレにとっては……妻として以上に大切な存在だよ。
「好きだよ……ははっ、ベタ惚れだ」
「私もだよ……大好き」
ぎゅうっと強く抱きしめられて、なんだかドキドキした。
懐かしい感覚だな……お前といると若返るよ、ほんと。
おでこにキスをした。
腕の中でくすぐったそうに動いた。
その後、睡魔に襲われ意識が沈んでいった。
そっとおでこに何かが触れたのをぼんやり覚えながら。
夢を見た。
見たことない家に、オレたち二人と、男の子と女の子。
四人で遊んでいる夢。
~End~