第23章 正直系女子:氷室
「友達とかバスケ部員が、『氷室先輩女子から人気だよね』とか『またプレゼント貰ってた』とか言ってて……なんか、勝手に不安に……」
「そうだったのか……」
「でもそんなこと言ってたら辰也の自由なくなっちゃうし! ……辰也モテモテでみんなの憧れで、お付き合いさせていただいてるだけでもありがたいのにさ……」
……何言ってるんだ。
知らないのか? お前は凄いモテるんだよ?
オレが普段どんな思いでお前と話してるのか、一緒にいるのか。
二人でいられる時間がオレにとってどれほど嬉しいことか……知らないんだろうな。
でもそれでいい。
オレの焦ってる姿は見せたくないんだ。
なんて、強がってられるのもいつまでだろう。
何度溜め息をついた? 心寂しくなった?
本当はがいないと何も出来ないくせにな……。
「お前が付き合ってるのは最低でダメな男だよ」
「? どうしてそんなこと言―」
どうしてかは後で教えるさ。
だから今はキスに集中して?
じゃないとおかしくなりそうなんだ。