第21章 ふくよか系女子:火神
「痩せたってそんな変わんねーだろ?」
「変わるよ! 綺麗になるよ!」
目をカッと開いて反撃してきた。
ちょっと……こえぇ。
でも痩せることってそんなに大切かよ。
「痩せてどうすんだよ」
「大我が周りから私のことでバカにされなくなる」
「されたことねーよ! ……別にそのままだっていーじゃん」
「……何でそこまで止めるの?」
若干キレてるような口調。
何でって言われたって、それは……。
気恥ずかしいから言いたくねぇんだけど。
「お前は……他の男にも好かれたいのかよ」
「どうして?」
察しろって!
どうしてって、どうしてって……。
「痩せたら……もっと綺麗になると思うぜ。だから他の男もお前のこと見るだろーし……」
「それはないよー」
「あるっつの! それに……オレ今のその体型が一番好きだし……。どうしてもっつーなら止めねぇけど、痩せるのあんま賛成できねぇ……」
やっぱこんなこと言われたくねーかな。
嫌がっちまうかもな。
案の定、ビミョーな顔してうつむいた。
でもオレも嫌なもんは嫌だし。