第3章 ラッキーアイテム系女子:緑間
「おはよう高尾君!」
「おーおはよ!」
「おはよう」
オレとは付き合っている。
登下校は一緒だが、教室に着けば高尾と3人で話す。
いつものことだ……。
「今日のラッキーアイテム……こけしなの?」
「そうだ。こけしだ」
なぜそんなに顔をひきつらせる?
おいなぜため息をつく。
「センスない! それ顔気持ち悪ぃ ! ! 」
「何ぃ ! ? よく見ろ、上手く描けているだろう。オレの努力の賜物だ」
「手描きなの ! ? すげぇな……でもやっぱキモい!ドジョウみたいじゃん ! ! 」
失礼な奴だ。
顔が剥げていてはこけしにならんだろう。
だから剥げていた顔の上からオレが描いたのだよ。
……実を言うと、若干しくじった気はした。
いやそんなのは絶対に必ず気のせいだ。
オレに限って失敗などありえん。
そうだ高尾、オレが顔を描いている最中にお前が訳の分からんメールを送ってきたからなのだよ。
オレに非はない。