第10章 「紹介するよ。」

「何言ってるんですか。征十郎はもともと強いから私がいなくても大丈夫なんですよ。」


私は征十郎が帰ってくる場所であればいい。


「ふーん、ちゃんは？」


「え？」


先輩の質問の意図がわからずに聞き返す。


「ちゃんは赤司と離れたくないとは思わないの？」


「あ…、それだけじゃ征十郎の隣には立てないんですよ。」


「そ。」


先輩はそこに落とされた違和感を無視してくれた。