【黒バス】悪童くんと、良い子ちゃん。【花宮・R18】
第2章 無自覚な彼女、自覚した彼
もう一度桐原の家に戻ってみると、大人しく眠っていた
さらっさらの髪を弄りつつコンビニ袋をテーブルに置く
少しして桐原の指がぴくりと動く
どうやら起きたらしい
「よぉ、気分はどうだ?」
「あ、花宮さん…だ、だいぶ楽になりました。ありがとうございます」
「そうかよ、ならこれ食え。ゼリーならお前でも食えんだろ」
「え、あ、ありがとうございます………ぅ、ん、………お、いしい、です」
「…敬語。てか何だよ、そんな見て」
「あ、ごめ、ん…えと、かっこいいなぁ…って…っ!」
自分の発言が小っ恥ずかしい事に気付いたのか顔を赤くして布団に潜り込んだ
俺も暫くぼーっとしてはいたが、普段なら言われるとイライラする筈なのにどうやら喜んでいるらしい自分に気付いた
「…はっ、」
さて、どうやら俺は自分史上初の一目惚れをしたらしい
勿論女がいたことはあっても俺は相手に対して無感情だったから初めて他人に恋愛感情を持ったことになる
意識をするとどうしようもなく可愛く見えてきた
…同時に加虐心も芽生えはしたが
「…おい、何だよ布団被って」
「や、恥ずかし…から…」
「恥ずかしい?何がだよ。お前は素直に、思ったことを、言っただけだろ?」
「っ、だから、それが恥ずかしいの…!」